建築家の声 岡田哲史





私にとって水澤工務店は雲の上の存在でありつづけてきました。建築家人生に一度でも仕事でご一緒にさせていただけること、かつてそれじたいが私の夢でした。水澤工務店が建築を扱う職能としてわが国で最高水準にあることはいうまでもありませんが、幸運にも今回初めて仕事をご一緒させていただき、それよりずっと大切なことに気づかされました。それは水澤工務店の仕事に携わる人々の謙虚さです。私自身、なにごとに対しても最高水準を目指すためには、人はまずもって謙虚でなければならないと信じています。私もこれまでいろいろな経験を重ねてきましたが、ほんものと云われる人々に通底している最も本質的な特質はそこにあります。その一点を共にすることができれば仕事は楽しく進み、おのずと優れて美しいものが生まれてきます。水澤工務店は、そうした人間関係を築くことのできる数少ない業者のひとつです。
住みやすい家、機能的な家、快適な家、素材を大切にした家など、家に対する要望や売り文句は様々な言葉で表現されますが、これまでお話してきた通り、理論的な裏付けでその快適性や機能性が保証されているような家は、建築設計を一通り勉強すれば誰にでも設計できるということです。

私はそのような家に関心は有りません。

私が目指したい建築とは、どんなに勉強しても、どんなに経験したとしても、
到底実現させることのできないような何かです。

そこのところをしっかり理解してくださる依頼者とじっくり時間をかけて仕事に取り組み、
実現した暁には多くの人が息を呑んで、
鳥肌を立てて経験してくださるような建築をつくりたいと考えています。

それはおそらくは世界中のどこに存在していても許される家。

ものではなく心の水準で人間の初源に触れられる家は、
時間や場所を超越するものではなかろうかと考えています。
 
水澤工務店の建物の魅力は、なにより施工が洗練されており、最高度の水準を誇れるところです。
建築家プロフィール
1962年 兵庫県生まれ 
コロンビア大学大学院終了後、早稲田大学博士課程修了(工学博士)
日本学術振興会特別研究員、文化庁芸術家在外研修員などを経て、1995年岡田哲史建築設計事務所を設立。
滋賀県立大学環境科学部助教授を経て2006年より千葉大学院工学研究科准教授、今日に至る。

ヴェネツィア建築大学客員教授、英日財団リーダーシッププログラムフェロー、トヨタ財団リサーチフェロー。デダロミノッセ国際建築賞グランプリ、シカゴアテナエウム国際建築賞、アジアデザイン賞、日本建築学会賞(技術)等、受賞多数。